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2006/02/04

簡略化への動機

今週はParis本店から自分のボスが来てランチ、ディナー、ミーティングと大変な一週間で疲れ果てた。でも昨年5月に就任し10月にパリで人事部のGlobal Meetingやったあと真っ先に日本を海外の訪問先に選んでもらったのはありがたい話で日本のオフィスのプレゼンスを大いに示すことが出来た(以上、典型的なサラリーマン的メッセージ)彼女はポーランド生まれの小柄な女性、ご主人はスイスのフランス語圏で生まれた人で長年フランスで日本企業に勤めている。スイスは60%の人口がドイツ語圏で30数%がフランス語、残りの数%がイタリア語や小数民族語を話す人々だとか。最近、生活の周辺では標準的な日本語どころか大阪弁や東北弁まで駆使する「変な外人」がやたらに増えてきたが、国籍と使用言語がミックスした環境は当然ヨーロッパではそんな比ではないだろう。彼女が来ている間、東京オフィスの皆を集めてホテルで新年会パーティーがあったが、オフィスは20ヶ国の外国国籍者が3割を占めている環境なのだから、そんなパーティーに一同が会する光景はなかなか面白く様々な種類の英語や、フランス語、日本語が飛び交う。英語こそ「様々な種類」を実感できるとは言え、フランス語は同じにしか聞こえない。が、連中の中にもベルギー訛りや、スイス訛り、ケベック訛りとかがあるらしい。年配のフランス人は植民地経営の意識の名残か、選民思想か、Bon Francaisという教育的効果か、訛りのあるフランス語を皮肉交じりに表現したりするのを聞くことがある。生活言語としての感覚にまで昇華した「母国語」としてのフランス語ですらそれぞれ違う。「他国語」としての言語での交流の場面では意思疎通の手段として言いたいことが伝わったかどうかが基準で「不自然」だったり文法的にも間違いだったりすることはそれほど誰も気にしない。フランス人の若者と話すと、フランス人の偉いさんの英語のスピーチは何言っているかわからないと揶揄する。フランス語と英語では多くの共通の単語があるから、我々日本人が英語勉強するよりよほど楽なのだろうと思うのだが、同じ単語でも用法の違いで意味が異なることが多いとか。to control を単純にフランス語の不定詞に置き換えてcontrolerとやっても(フランス人の英語の場合は逆)理解が及ばないみたいなことが多いらしく、逆にそれが大きな罠になるとか。語順の問題では英語や同じアジア語の中国語に比べて日本語は全然違うところが日本人の英語学習を困難にしていることの一つの要因だなんて言われる。英語の「I love you」、中国語の「ウォー・アイ・ニー」はSVOだが日本語は「私は あなたを 愛します」でSOV.フランス語はどうかというと「je t'aime」で日本語と同じSOV.フランス語では目的語と言うよりも直接、間接補語というようだが「私は あなたに それを あげます」が「Je vous le donne」と全く同じ語順であるならば我々日本人がフランス語を学ぶことはむしろ英語を学ぶより楽なことなのかも知れないと思ったりする。発音に関しても、フランス語と日本語は極めて似ているとは多くのフランス人が言う。ただし彼らが自慢げに付け足すのは「フランス語の発音の範囲は日本語に近い部分を取り込んでもっと広い」とか。そのフランス人の青年いわく、定冠詞、不定冠詞、名詞、形容詞など多くの品詞で性数の一致を求めらる複雑さについてはフランス人にとっても悩みの種らしく、書いた文章にいつもいくつかの間違いをしてしまうため、必ず読み返して訂正するのが常だとか。間違っても意思は通じるから、この辺について若者の間では簡略化した言葉が語られることも多いとか。。。こんな話聞いていると、今ごろフランス語勉強しようなんて思っているオヤジが間違うのは当然だろう!といった居直りの蛮勇がむらむらと湧いてくる。